去年は知らなかったフォーラム。今年(2021年)に乳がんサバイバーになった知った『JCF(ジャパンキャンサーフォーラム)』の存在。患者、家族のための日本最大の『がんフォーラム』ということなので、内容はたぶん著名な先生方がしっかりとしたエビデンスを元にお話されるイベント。このネット時代、科学的根拠(エビデンス)を身につけたうえで、情報検索が必須だな、と思います。
コロナ禍(しかも都内は緊急事態宣言中)なので、開催はオンライン。外出することなく視聴できるのがありがたかった~
様々な癌に関するプログラムや患者会や支援団体の紹介もあったのですが、今回は乳がんのセッションを拝聴しました。2つのテーマでお二人のドクターがそれぞれのテーマでお話され、最後にQA回答という流れでした。
以下は、自分用に備忘録&感想を残します(自分が残しておきたい部分だけメモを取っていること、梨丸が理解ができておらず違っている可能性もあり)
動画はあとでJCFさんのサイトにアップされるとのこと。聞き取れない単語(特に薬名…一般名とか特に…)が多かったんで、アップされたら見直したいところです。
乳がん診療の明日を拓く~乳癌撲滅のカギは?(昭和大学病院 乳腺外科 教授 中村清吾先生)
乳がんの手術の歴史、これから手術がなくなる未来がやってくるかも?!
乳がんだったら「乳房全切除&腋窩覚醒」が当たり前だった時代から、全切除から乳房温存療法、センチネルリンパ節生検、分子標的薬の登場。学術の急速な進歩に手術ありきの時代から非手術の可能を探っている。
p53はがん化を防ぐ守護神。損傷した遺伝子を修復する遺伝子。乳がん発生に遺伝子(BRCA)も同様に損傷した遺伝子を修復する遺伝子で、ここに変異があると乳がんや卵巣がんが起こりやすくなる。
遺伝子検査が進むと、
・診断、抗がん剤の効果予測
・遺伝子疾患の発症予測(BACA1/2)
・薬の副作用、どれぐらい薬を使えばいいか
・病気の素因診断
etc…いろんなことがわかるようになってきた。
ロゴのお話も。
Cancerに赤線。キャンサー、癌をなくす。そんな気持ちがこめられたロゴ。
Making Cancer History®
「昔は癌って病気があったね。」そうなる未来のためのキャッチコピーっぽい。
ロゴにキャッチコピーに、研究者・ドクターの想いの一端を感じることができて、ぐっときてしまった。昔は癌って病気があったね。そんな時代に産まれていたら幸せだったろうなぁ…とお話を聞きながら、ふと思ったりもしたけど、そうなると家族や旦那さんにも会えなかったわけで、今の時代でよかったとすぐに思い直しました(w)「昔は癌って病気があったね」って言える時代は、もうすぐそこだな、っておもいたい!
さらに進む乳がん治療2021(がん研究会 有明病院 副院長 乳腺センター長 大野真司先生)
先生の病院(がん研有明病院)のグラフ。早期診断により生存率が高くなっている。無再発生存率もどんどんよくなってきている!これは薬の進歩が大きい。
ホルモン薬から抗がん剤、分子標的治療薬、そして免疫チェックポイント阻害薬。保険承認された乳がん治療薬の数も30以上。40近い…?ただ、サブタイプやステージによって使える薬は異なり、全部の薬が使えるわけじゃない。
そして、今年20201年も使える薬が適応拡大される。今月、今秋にも!
今年中に保険承認・適応拡大される予定は「検査:オンコタイプDX」、「薬:ペンブロリズマブ(キイトルーダ)※進行再発治療、トリネガ。
いくつか先生から紹介があり、個人的には特に「リキッドバイオプシー」という単語が気になりました。
検査としてまわす検体は、手術摘出して時間が経っていたり、臓器の奥のほうで検体が取れない場合もある。そこで、低侵襲もしくは非侵襲的な検査方法(たとえば血液・体液を使って解析する)リキッドバイオプシーが期待されている。
遺伝子プロファイルも進んでいるが、先生が提示されたエビデンスでは5%程度しか治療薬が見つかっていない。
ただ今、治療薬は高速道路の料金所のように承認を待っている薬が多い!だから使える薬が増えてくると、治療薬が増えていく可能性が高くなる。
QA
8問ぐらいあったんですが、ちょうど電話がかかってきてしまいミュートにしちゃったので、詳細は聞けずじまい;;画面上で妊孕性やメンタル関連のQがあるのはわかったので、サイトに動画がアップされてから先生方の回答を視聴させていただきたいです。
以上です。
先生方がお話されるときにはエビデンス(今までの治療件数など)の提示もあって安心材料のひとつにもなりました。特にがん研有明病院の予後の全生存率では、10年や20年だけじゃなくて30年、40年、50年みたいな表もあってすごくすごく安心できました。いつから追いかけていたのかすごく気になるところです。ああ、早く動画で確認したい…!!!
このフォーラムを開催いただいたみなさまに感謝です。ありがとうございました。
梨丸の場合を備忘録として記載しています。症状や状況によって、処方や治療内容は異なります。
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