この週末、がんゲノム医療の市民公開講座があったので拝聴しました。憎いコロナだけど、オンラインで本来なら遠くて参加できないような市民講座とかに参加できるようになったのは有難い~
がんゲノム医療市民公開講座セミナー概要
・配信日時:2021年4月24日(土) 14:00~15:00
・講師:後藤 悌先生(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)
・主催:中外製薬株式会社
・協力:株式会社QLife
・プログラム
テーマ1:がんゲノム医療とは?~遺伝子パネル検査の現状と展望~
テーマ2:がん免疫療法とは?~現状と展望について~
医療総合サイトQLife(キューライフ)
セミナーまとめ
以下、セミナー内容を理解ができておらず違っている可能性もありますが、自分用に備忘録としてつづります。
ゲノムが「サイエンス」から「医療」へ
『ゲノムが「サイエンス」から「医療」へ』っていう医学界新聞のキャッチコピーが紹介されたとき、おぉ…って声をあげちゃいました。
学生時代、遺伝子工学を少しばかりかじってたこともあって胸アツ…医療に使われてる(乳がんのBRCA遺伝学的検査を受けた時も思もったけど)現代がやってきてました。すごい!日本では体制確立しつつあるとのこと。この10年で大幅に進歩して、次の治療につなげたいってお話もあって、研究されている先生方、技術者のみなさんに頭が下がります。
がん3大治療から5大治療へ
手術療法、放射線療法、薬物療法の3大治療に、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤(人間の免疫機能・免疫チェックを何かしらの方法で復活させる)2つの治療を加えて5大治療へ。
がんの発生のしくみ
がんの発生は、さいぼうぶんれつや増殖の遺伝子の変異が関係している。
がんの遺伝について
ほとんどの癌は遺伝しないけれど、がんになりやすい変異が遺伝する場合がある。もしあったとしても、遺伝子の設計図は2つある(子は両親からの設計図をもらうので)から、必ずがんになるわけじゃない。
がん遺伝子パネル検査
100種類以上のがんの遺伝子を一辺に検査できる。がん細胞に含まれる遺伝子の情報を、次世代シークエンサーで調べる(正常なものと比較して違う部分を探す)。
がんの原因となる遺伝子変異が見つかった場合、その遺伝子変異に対応する治療薬を選択できる、それはすなわち、生存率が上がる。ただ、その変異に対しての薬がないことのほうが圧倒的に多い(あるのは1割ぐらい)
違う臓器のがんでも同じ治療薬が効果を示すことも
乳がん治療で使われている分子標的薬(トラスツズマブ)は、HER2過剰発現が確認された治療切除不能な進行・再発の胃がんにも効果を示す可能性がある。
2018年以降、臓器別ではなく遺伝子変異別、臓器横断的ながんを対象とした薬剤が承認されている
免疫チェックポイント阻害剤
2018年ノーベル医学生理学賞が授与された京都大学の本庶佑先生が発見したたんぱく質(PD-1、PDL1)、テキサス大MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン先生が発見したたんぱく(CTLA-4)は免疫細胞のブレーキになる物質。
このブレーキを抑えることでがんに対する免疫の力を高める=がんの勢いを抑える「免疫チェックポイント阻害薬」が開発され、様々ながんに対して治療に使われている。
PD-1はT細胞の活性化やエフェクター機能を阻害(@組織)、CTLA-4はT細胞表面の分子、T細胞の増殖&活性化に必要な早期(@リンパ組織)と、免疫細胞にブレーキをかける仕組みは異なる。
免疫チェックポイント阻害剤は、世界どこよりも早く、アメリカと同じぐらいのスピードで治療に使える。
ゲノム医療
がん内科治療の三大柱(Traditonal Chemotherapy、Precision Therapy、Immunotherapy)
今後、治療薬の開発が待たれる。遺伝子パネル検査は現時点では効果が限定的。
参照サイト
所感
国立がん研究センターの呼吸器内科の後藤先生の講演は、市民公開講座なので、めちゃくちゃわかりやすかったです。
がんゲノム医療、遺伝子パネル検査については中外製薬さんがサイトを作っていて、先生がお話されていることが動画になってました。
現在、数百のがんに関する遺伝子がわかってるけど、まだまだ研究中。この研究が進むことで、治療薬が新しくできてくる、治療の選択肢が広がる可能性がある!明るい光!
梨丸の場合を備忘録として記載しています。症状や状況によって、処方や治療内容は異なります。
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